AES東京コンベンション2009の開催まで間もなくとなりました。
今回のコンベンションは- Feature the Future with Sound ? をテーマにして、機器展示、産学展示、プロダクト・セミナー、技術発表、基調講演、ワークショップ、チュートリアル・セミナー、学生プログラム、学生サウンド・アウォードなど多彩なプログラムとなっております。海外メーカの展示、海外からの技術発表もあり、従来に増して、国際色がより濃いコンベンションとなっております。
オーディオ・音響に関わる人々が一堂に会する場であるAES東京コンベンションへのご来場、ご参加をお待ちしております。
以下に各プログラムの見どころをご紹介致します。
5つの口頭発表セッション(A1〜5)にて20件、3つのポスターセッション(P1〜3)にて26件、合計46件の技術発表が3日間にわたり行われます。国内のみならず、イギリス、ドイツ、シンガポール、香港、アメリカ合衆国からの発表も予定されています。各技術発表の概要はAES日本支部のコンベンション特設ページより閲覧できます。また、全ての論文は英語で書かれており、インターネット上のAES E-Library からも購入できる予定です。
Session A1 | 機器と測定 | Session P1 | 室内音響と聴取実験 |
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Session A2 | 電気音響変換器 | Session P2 | 測定と信号処理 |
Session A3 | 室内音響 | Session P3 | 三次元音響と再生 |
Session A4 | ディジタルオーディオ機器とメディア | ||
Session A5 | 心理音響・知覚と聴取実験 |
今回のコンベンションでは,従来より好評を頂いておりますワークショップに加え,新たにチュートリアル・セミナーとマスター・クラスという二種類のプログラムを追加しました。
「ワークショップ」,「チュートリアル・セミナー」,「マスター・クラス」の三本柱により,オーディオ及び音響の基礎から最先端までの情報を余すところ無く来場者の皆様にご提供いたします。
サラウンド,放送,ゲーム,空間音響といったキーワードをもとに,以下の5つのワークショップを開催致します。いずれのワークショップも,当該分野の最先端を担う方々が座長及びパネラーを担当されており,当日は,来場者の皆様と一緒にこれからの「音」を考えて行きたいと思います。
初心者を対象としたセミナーです。心理音響,建築音響,電気音響といった音響の基本的な3分野を網羅する4つのテーマで構成されています。セミナーでは,各分野の基本理論の理解だけではなく,理論を実際の場で活用できる実践力を身につけることを目標とし,経験豊かな講師陣が他では聴講できない特別講義を行います。全てのセミナーを受講することで,プロに必要なオーディオ/音響の基礎を一通り学ぶことが出来るでしょう。
上級者向けの最先端の技術情報を提供するセミナーがマスター・クラスです。その道のプロの方々には,実践的な最新の技術情報を得る良い機会となり,当該分野以外の方々にとっては,他の分野の最新動向を知る良い機会となるでしょう。
今回は,オリンピックとしては初めて全競技が5.1サラウンドで制作・配信された昨年の北京オリンピックのサウンドに関して,サラウンド音声のスーパーバイズを担当された日向毅氏に,講演を行って頂きます。
機器展示では24社にも上る音声関連機器メーカー、プロダクションによる「見て、触って」音声機器から中継車までを体験する機器展示に加え、各メーカーの担当者からその音や操作、仕組みについてより詳しい説明を聞くと共に、実際の音を「聴く」場として、プロダクトセミナーを開催します。機器展示、プロダクトセミナーへの参加は無料ですが、各社様々な趣向を凝らして来場の皆様への最新情報の提供、そして活発な意見交換の場となることを期待しています。また、機器展示エリアでは学生を中心とした産学展示も同時に行われます。出展社につきましては、プログラムをご覧下さい。
今回の学生プログラムについては、以下の観点で会期中1DAY-1SESSIONを基本に内容を検討しました。
これはヨーロッパ、アメリカで開催されているコンベンションでの学生の為の業界人との面談やフリートークを経験した学生からの要望もあり今回実施を検討した企画です。
学生プログラムでは、以下の3つのイベントをおこないます。
九州大学(旧九州芸術工科大学)の北村音壱先生が国内に導入した音の感性を向上させる為の「聴覚弁別能力」の向上をめざした実践的なトレーニングが基になっています。海外では「クリティカル・リスニング」といったカリキュラムで多くの音響関係の学校で実施されているトレーニングです。
今回はこのトレーニングを学科の中で実践している九州大学、東京芸術大学 東京情報大学の現状報告と参加者のみなさんに実際に体験してもらうワークショップとしました。
実際の社会に出てからどういった気付きがあったか、また学生時代にこうした方面をもっと集中的に勉強しておけば有益だった、こうした活動をやっておくとさらに視野がひろがるのではないか、といったオーディオ業界で活躍する先輩からのアドバイスをフリーディスカッション形式でおこないます。オーディオ業界の先輩としてエンジニア、サウンドデザイナー、研究者といった幅広い分野からパネラーをお招きします。将来オーディオの分野へ進もうと考えている学生のみなさんにとって、活きたアドバイスを発見するいい機会にしてください。
恒例となった学生が制作した録音作品のコンテストです。今年もステレオからサラウンドまで数多くの応募がありました。その中から事前審査で選ばれた7作品を作者自身によるプレゼンと作品の試聴をおこない優秀作品を選びます。審査員には各分野の先駆者をお招きし、応募作品について貴重なコメントやアドバイスをいただきます。今年の最優秀賞は誰の手に輝くでしょうか?
基調講演は、AES会長のジム・アンダーソン氏を向かえてAES東京コンベンションのオープニングを飾っていただきます。そのタイトルは「Reality is Not a Recording / A Recording is Not Reality」 。ジャズ録音界の巨匠でもある氏が、録音や音楽に対するアプローチ、制作手法、そして作品を創りあげるまでの全ての工程を明らかにしながら、ご自身の哲学を語っていただきます。ベテラン・エンジニアから業界を目指す学生、音に関わる全ての人にとって大いに参考となる講演になることでしょう。
テクニカル・ツアーとしては、「フジテレビ湾岸スタジオの見学」 を行います。地下1階、地上7階、延床面積7万平米超の湾岸スタジオは、企画、収録、編集、仕上げを一貫して行なえる「デジタル・コンテンツ・ファクトリー」を基本コンセプトとして設備構築がなされています。当日はその巨大なシステム設計の全てを統括したフジテレビの松永氏に多様化するメディアに対応する最新放送設備をご説明して頂きます。
今回、新たにヒストリカル・プログラムとして 「20世紀における世界の放送用モニタースピーカーの変遷を見る」と題しまして、スピーカー設計者としては日本で最も署名な一人である佐伯多門氏に、20世紀の世界各国の放送用モニタースピーカーの変遷を解説、21世紀に投げかける課題について語って頂きます。
各プログラムの開催日時、詳細内容につきましては、プログラムよりご確認下さい。