AES基礎音響セミナー2017

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(昨年の様子)

目次
概要
スケジュール
講義内容
受講参加費(資料代)と申し込み方法
会場アクセス


● 概要

2010年から開催して参りました「AES基礎音響セミナー」も今年で8回目となります。これまで毎年継続して開催できていますのも、ご参加頂いた多くの方々や講師の方々の賜だと感謝しております。さて、今年も「AES基礎音響セミナー2017」を下記の要領にて開催致します。セミナー内容に関しましては例年どおり、音響の基礎理論、心理音響、室内音響、電気音響、デジタル信号処理、技術英語など、初級講座から上級講座まで幅広い分野を網羅した講座を二会場、一部三会場で並列開催させて頂きます。ご自身の興味の分野や必要とされるレベルに応じ、きめ細かい講座の取捨選択が可能な構成になっております。セミナーを担当頂く講師の方々は、それぞれの分野を専門とし、第一線で活躍しているプロフェッショナルにより構成されています。そのため、単なる座講ではなく実践に結びつく生きた理論を学んで頂くことができます。本年も全ての講座が終了した後に懇親会を予定しております(要別途参加費)。学生の方々の集中講義として、また若手技術者の方々の研修セミナーとして「AES基礎音響セミナー2017」をご活用下さい。


● スケジュール

以下のスケジュールは予定です。時間の変更の可能性があります。

2017年9月8日(金)

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2017年9月9日(土)

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● 講義内容

A1 – 音の基礎 講師:星和磨(日本大学)

音はなぜ―大きく・小さく、高く・低く、綺麗に・汚く―聞こえるのでしょうか。目でみえない音を数や式といったフィルターを通してみると意外と理解しやすいものです。この講義では、これらの項目と、周波数・波長・音速・音圧・レベル・周波数特性・A特性・オクターブバンドレベルといったキーワードとが対応づくことを目指します。さらに周波数分析の基礎についてもわかりやすく解説します。

予定講義内容
・音が伝わるしくみ
・音の大きさと高さ
・音圧レベルとデシベル
・周波数特性とA特性補正
・倍音と和音
・周波数分析のしくみ

A2 – 聴覚と音知覚の基礎 講師:西村明(東京情報大学)

オーディオエンジニアにとって音を分析的に聴く行為から逃れることはできません。では、我々の聴覚は音をどのように捉えているのでしょうか?音という物理的な現象は、聴覚器官と脳の働きによって、心理的な現象として知覚されます。聴覚の仕組みを簡単に説明した後、音の物理的特徴と心理的な知覚現象との対応関係について、オーディオエンジニアリングに特に関係すると思われる話題をいくつかとりあげて、実際に音を再生して体験してもらいながら解説します。

予定講義内容
・耳もやっぱり歪む: 聴覚器官の概要,差音,結合音,主観倍音
・耳の感度は?: 音圧レベルと音の大きさ,ラウドネス
・存在するはずの音が聴こえない: 臨界帯域,周波数マスキング,時間マスキング
・音の空間的印象を規定する要因: 方向知覚,先行音効果,強度差時間差補充,拡がり感と見かけの音源の幅

A3 – デジタル信号処理の基礎 講師:渡邉祐子(東京電機大学)

“デジタル信号処理“は大きく分けると信号の制御と分析に役割を分けることができます。これらを前提にして、音響技術の初心者を対象に、音をデジタル化する仕組みや利点・欠点、決まりごとについてわかりやすく解説します。

予定講義内容
・アナログ信号のデジタル化(標本化,量子化,符号化)
・デジタルオーディオにおける基礎事項(サンプリング周波数,量子化ビット数,データサイズ)
・オーディオ信号の周波数解析
・デジタルオーディオ処理

A4 – 電気音響の基礎 講師:田村良隆(スタジオイクイプメント)

エンジニアを目指す方に、知っておくと便利な電気の基礎理論を解説します。現場作業において、どのような電気理論が何に役に立つのかといった発想方法を身につけて頂きます。

予定講義内容
・電気の基礎: オームの法則、交流と直流、電源、グランド
・回路の基礎: 直列と並列、インピーダンス(ロー出しハイ受けなど)、レベルについて、バランス伝送とアンバランス伝送
・応 用 編: ノイズについて(ノーマルモードノイズ,コモンモードノイズ)、シールドについて(静電・磁気・電磁シールド)

B1 – 室内音響入門 講師:中原雅考(ソナ / オンフューチャー)

部屋の中での音の振る舞いに関して、理論的な考え方の基礎体力を身につけて頂きます。室内音響を理解する上で不可欠な「波動音響」「幾何音響」「統計音響」といった一通りの理論を解説します。これまでに音響学を学んだことのない方々が、音の振る舞いを正しくイメージでき、身につけた知識をコントロールルーム、リスニングルーム、スタジオなどの音響設計に応用できるよう基礎固めを行うとともに音響設計の実践手法を紹介します。また,教室内に存在しているモードを実際にあぶり出し、モード現象を体感して頂きます。

予定講義内容
・部屋がもたらすもの
・中高域の響き:反射音と聴感,幾何音響学,統計音響学
・低域の響き:波動音響学
・実践音響設計:室内音響チャート
・モード体験

B2 – 音の心理評価入門 講師:丸井淳史(東京芸術大学)

音の評価のために行われる音響心理実験では、どんなことに気をつけなければならないのでしょうか?思わぬところで出くわす落とし穴を紹介し、心理音響と音の評価実験の基礎を身につけて頂きます。

予定講義内容
・実験の目的
・研究の流れ(研究目標の設定から実験を経て報告まで)
・評価語・評価尺度
・バイアスと文脈効果

B3 – 実用デジタルオーディオプロセッシング 講師:鈴木久晴(エヴィクサー)

デジタル信号処理の概念がなんとなくわかる方々を対象にしたデジタル信号処理の実践講座です。コンピュータ上で実際に音響信号を取り扱い、グラフ等で可視化するための技術に関して解説します。フリーのプログラム言語であるPython(パイソン)がインストールされているノートパソコンを持参して頂くと、実際にプログラミングを体験しながら、受講して頂くことができます。
Python(パイソン)に関する概要は、例えばこちらなどが参考になります
http://dotinstall.com/lessons/basic_python
(注)会場には、電源やインターネット回線の準備はございません。

予定講義内容
・デジタル信号とコンピュータ
・Pythonによる信号処理環境の整備
・FFTを使った周波数分析
・フィルタ

B4 – スピーカ入門 講師:小谷野進司(KOYANO Sound Lab.)

音響技術やオーディオ機器の設計等に携わる初心者を対象に、スピーカの基礎からキャビネットの設計までを実例を示しながら学んで頂きます。

予定講義内容
・電気音響等価回路の基礎
・動電型スピーカの動作
・スピーカの種類
・ホーンスピーカ
・スピーカシステム
・キャビネット設計の実際

B5 – マイクロホン入門 講師:小野一穂(NHK放送技術研究所)

マイクロホンの動作原理や指向特性、等価雑音などの基本概念について、音響の初心者を対象に解説します。

予定講義内容
・マイクロホンの基本構造、感度・雑音、指向性
・録音用マイクロホン、さまざまなマイクロホン
・ステレオ収音とマイクロホン
・マイクロホンの指向性による音の違い
・ダイナミックマイクやコンデンサーマイクなど、マイクの種類による音の違い

B6 – ステレオ録音入門 講師:亀川徹(東京芸術大学)

ワンポイントステレオ録音のおこなう上でのマイクロホンの位置の検討方法について,実際にスタジオでの実習を交えながら解説します。

予定講義内容
・主なステレオ録音方式の概要
・レコーディングアングルを考慮したマイクロホンセッティングの考え方
・クリティカルディスタンスと直接音と間接音のバランスについて
・実際の録音と試聴

C – 技術英語入門 講師:鈴木弘明(MQA / ソナ)

音響、オーディオに携わるエンジニア、研究者、アーティスト、学生にとって英語は必須のコミュニケーションツールとなってきています。海外の人々と議論し、世界に自分の考えを積極的に発信していくことが求められています。本講座では、英語のスキルの中でも特に「Writing=書く」に焦点を当てます。AESのConventionやConferenceにおいて発表したペーパーは各国の人々に読んでもらえますし、また記録としても残ります。そのためにも「Clear」「Correct」「Concise」な英語の書き方を学んで頂きます。

予定講義内容
・英語の重要性
・日本人にとって難しい英語の要素
・冠詞、単数、複数
・前置詞
・関係代名詞
・日本語と英語の発想の違いに目を向ける
・短文の和英翻訳演習
・技術論文の書き方
・英語のプレゼンテーション

M – マスタークラス

AES国際コンファレンス2018へのプロローグ
3D音場の録音と再現~波面合成以外の手法~

音場の立体録音・再生(再現)手法には、元音場の波面そのものを再現するような手法と、元音場におめる音の到来方向(定位)を再現するような手法の二通りがある。
前者には、WFS、Ambisonics、BoSCなどの方式があり、比較的規模の大きいな録音・再生システムが必要となる。後者に関しては、多チャンネルスピーカを用いたアプリチュードパンによるファンタム音源再生が再生環境としては広く利用されている。収音方式としては、AB、Blumlein、DECCA Treeなどといったスピーカ間に再現される音像とマイクの配置の相関性に着目したいわゆる「マイキング」と呼ばれる手法が広く用いられているが、その他にも、ある受音点で得られる音をその方向情報と一緒に収録してしまう方法として、超指向性マイクを使用する方法や音響インテンシティー利用する方法などがある。マスタークラスでは、それら「マイキング」「超指向性」「音響インテンシティ」の3種類の手法に関して解説するとともに、試聴体験して頂きます。

プレゼンター:尾本章(九州大学),亀川徹(東京芸術大学),中原雅考(オンフューチャー)


● 受講参加費(資料代)と申し込み方法

参加資格

どなたでも受講可

資料代(“受講料”として、下記の資料代を銀行振込にてお支払い下さい)
*お振込期間(8/7〜8/18)

非会員の方は、セミナーの申し込み前に入会申請書をAES日本支部までメール送信頂きますと会員価格が適用されます。 (入会案内はこちらです)

  • 学生
    • AES日本学生支部会員 : 7,500円(税込)
    • 非会員 : 10,000円(税込)
  • 一般
    • AES日本支部会員 : 15,000円(税込)
    • 非会員 : 30,000円(税込)

また、1団体で10名以上のお申し込みを頂ける場合に10%の団体割引を適用させていただきます。団体割引適用をご希望の方は下記のお申し込み方法【 団体申込(10名以上)】をご参照ください。
※「団体」とは,同一会社に所属する10名以上の職員。もしくは同一学校に所属する10名以上の学生及び職員。
※資料には2日間にわたって開催される全講座の資料が含まれています。
※講座別、日別の資料はご用意しておりません。
※資料代は事前に指定口座にお振り込み頂く必要がございます。

懇親会

参加費(税込):学生(会員・非会員)2,500円、一般(会員・非会員)5,000円
場      所:北千住駅近辺(会場に関しては当日ご案内致します)
※参加費は事前振込にてお願いします

申込方法

【 一般申込 】
一般申し込みを締め切りました。沢山のお申込みありがとうございました。
定員に達しましたのでキャンセル待ちも受け付けておりません。悪しからずご了承ください。

申込期間:7月31日(月)~8月11日(金)※定員に達し次第、締め切らせて頂きます。
下記の申込み専用フォームにてお申し込み下さい。
https://ws.formzu.net/fgen/S91874612/
受付が受領されますと、資料代振込方法をお知らせする自動返信メールが届きます。
資料代振込をもって受付完了となります。振込期間内に指定の銀行口座にお振込下さい。

【 団体申込(10名以上)】
団体申し込みを締め切りました。沢山のお申込みありがとうございました。
定員に達しましたのでキャンセル待ちも受け付けておりません。悪しからずご了承ください。

申込期間:7月10日(月)~7月28日(金)※定員に達した場合、その時点で締め切らせて頂くことがございます。
AES日本支部セミナー係(seminar@aes-japan.org)宛に参加団体名及び参加人数を明記のうえ、申込依頼のメールを送信下してさい。残席状況を確認させて頂き、折返しエントリー書類を返信させて頂きます。資料代振込をもって受付完了となります。振込期間内に指定の銀行口座にお振込下さい。
※「団体」とは,同一会社に所属する10名以上の職員。もしくは同一学校に所属する10名以上の学生及び職員。

【 オプション賛助会員様ご招待枠 】

AES日本支部の賛助会員様のうちオプションをお申し込みの企業様には、口数に応じてセミナーに無料招待させて頂いております。
ご参考: http://aes-japan.org/wordpress/?page_id=1133
尚、懇親会にご参加の場合には、別途参加費が必要となります。
申込期間:~8月1日(火)
申込方法等に関しましては、近日中に郵送させて頂きます招待状をご参照下さい。

 


● 会場アクセス

東京藝術大学 千住キャンパス
〒120-0034 東京都足立区千住1-25-1
参考URL:http://www.geidai.ac.jp/access/senju
【最寄駅】
・JR北千住駅
・地下鉄千代田線・日比谷線 北千住駅
・東武伊勢崎線 北千住駅
・つくばエクスプレス 北千住駅
の各駅より徒歩5分


● 問い合わせ先

AES日本支部セミナー係(seminar@aes-japan.org)までメールでお問い合わせ下さい