AES基礎音響セミナー2019

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目次
概要
スケジュール
講義内容
受講参加費(資料代)と申し込み方法
会場アクセス


● 概要

2010年から開催をさせて頂いておりますこの「AES基礎音響セミナー」ですが、皆さま、そして講師の方々のご協力に支えられ、今回で10回目を迎えました。本セミナーでは,大学などで受講するような音響・オーディオに関する専門的な知識を,どなたでも受講できるように平易な内容にかみ砕いて解説致します。セミナーの内容は,音響の基礎理論はもちろん,心理音響,室内音響,電気音響,デジタルオーディオ・信号処理などの主要な分野を網羅しております。また,海外での技術発表やプレゼンの際に必要となる英語力〜技術英語〜に関しましても講座をもうけています。音響・オーディオの技術者に必要とされるこれらの多様なセミナーは,それぞれの分野を専門とし,第一線で活躍しているプロフェッショナルを講師としてお迎えしております。そのため,単なる座講ではなく,実践に結びつく生きた理論を学んで頂くことができます。講座が多岐にわたるため,異なる講座を複数会場で並列開催させて頂くことになりますが,その分,ご自身の興味の分野や必要とされるレベルに応じきめ細かい講座の取捨選択が可能な構成となっております。学生の方々の集中講義として,また若手技術者の方々の研修セミナーとして,是非「AES基礎音響セミナー」をご活用下さい。


● スケジュール

以下のスケジュールは予定です。時間の変更の可能性があります。

2019年9月27日(金)

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2019年9月28日(土)

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● 講義内容

A1 – 音の基礎 講師:星和磨(日本大学)

音はなぜ―大きく・小さく、高く・低く、綺麗に・汚く―聞こえるのでしょうか。目でみえない音を数や式といったフィルターを通してみると意外と理解しやすいものです。この講義では、これらの項目と、周波数・波長・音速・音圧・レベル・周波数特性・A特性・オクターブバンドレベルといったキーワードとが対応づくことを目指します。さらに周波数分析の基礎についてもわかりやすく解説します。

予定講義内容
・音が伝わるしくみ
・音の大きさと高さ
・音圧レベルとデシベル
・周波数特性とA特性補正
・倍音と和音
・周波数分析のしくみ

A2 – 聴覚と音知覚の基礎 講師:西村明(東京情報大学)

オーディオエンジニアにとって音を分析的に聴く行為から逃れることはできません。では、我々の聴覚は音をどのように捉えているのでしょうか?音という物理的な現象は、聴覚器官と脳の働きによって、心理的な現象として知覚されます。聴覚の仕組みを簡単に説明した後、音の物理的特徴と心理的な知覚現象との対応関係について、オーディオエンジニアリングに特に関係すると思われる話題をいくつかとりあげて、実際に音を再生して体験してもらいながら解説します。

予定講義内容
・耳もやっぱり歪む: 聴覚器官の概要,差音,結合音,主観倍音
・耳の感度は?: 音圧レベルと音の大きさ,ラウドネス
・存在するはずの音が聴こえない: 臨界帯域,周波数マスキング,時間マスキング
・音の空間的印象を規定する要因: 方向知覚,先行音効果,拡がり感と見かけの音源の幅,高さの方向と拡がり

A3 – デジタル信号処理の基礎 講師:渡邉祐子(東京電機大学)

“デジタル信号処理“は大きく分けると信号の制御と分析に役割を分けることができます。これらを前提にして、音響技術の初心者を対象に、音をデジタル化する仕組みや利点・欠点、決まりごとについてわかりやすく解説します。

予定講義内容
・アナログ信号のデジタル化(標本化,量子化,符号化)
・デジタルオーディオにおける基礎事項(サンプリング周波数,量子化ビット数,データサイズ)
・オーディオ信号の周波数解析
・デジタルオーディオ処理

A4 – 電気音響の基礎 講師:田村良隆(スタジオイクイプメント)

エンジニアを目指す方に、知っておくと便利な電気の基礎理論を解説します。作業に於いて、いろんなトラブルや動作状況が,どのように電気理論で説明できるかという見方で解説します。

予定講義内容
・電気の基礎: オームの法則、交流と直流、電源、グランド
・回路の基礎: 直列と並列、インピーダンス(ロー出しハイ受けなど)、レベルについて、バランス伝送とアンバランス伝送
・応 用 編: ノイズについて(ノーマルモードノイズ,コモンモードノイズ)、シールドについて(静電・磁気・電磁シールド)

B1 – 室内音響入門 講師:中原雅考(ソナ / オンフューチャー)

オーディオ・エンジニアリングに必要とされる室内音響学の理論的な考え方の基礎を概説します。音場の形成とその再現、室内音響の三分野「波動音響」「幾何音響」「統計音響」とオーディオンエンジニアリングの関わりに関して基礎的な事項を解説します。これまでに音響学を学んだことのない方々が、音の振る舞いを理論的にイメージでき、身につけた知識をオーディオ・エンジニアリングの現場で活用できることを目標としています。また、モード現象の体験や音響インテンシティ測定による音場再現などの小実験を時間の許す範囲で行います。

予定講義内容
・音場の誕生と復元
・部屋がもたらす響き
・中高域の響き(幾何音響学,統計音響学):反射音と聴感,コムフィルタ,残響理論,臨界距離
・低域の響き(波動音響学):ルームモード,モード合成と周波数特性
・音響実験(モード体験,pとuの復元による立体音響再現)

B2 – 音の心理評価入門 講師:丸井淳史(東京藝術大学)

音の評価のために行われる音響心理実験では、どんなことに気をつけなければならないのでしょうか?思わぬところで出くわす落とし穴を紹介し、心理音響と音の評価実験の基礎を身につけて頂きます。

予定講義内容
・実験の目的
・研究の流れ(研究目標の設定から実験を経て報告まで)
・評価語・評価尺度
・バイアスと文脈効果

B3 – 実用デジタルオーディオプロセッシング 講師:鈴木久晴(エヴィクサー)

デジタル信号処理の概念がなんとなくわかる方々を対象にしたデジタル信号処理の実践講座です。コンピュータ上で実際に音響信号を取り扱い、グラフ等で可視化するための技術に関して解説します。フリーのプログラム言語であるPython(パイソン)がインストールされているノートパソコンを持参して頂くと、実際にプログラミングを体験しながら、受講して頂くことができます。
Python(パイソン)に関する概要は、例えばこちらなどが参考になります
http://dotinstall.com/lessons/basic_python
(注)会場には、電源やインターネット回線の準備はございません。

予定講義内容
・デジタル信号とコンピュータ
・Pythonによる信号処理環境の整備
・FFTを使った周波数分析
・フィルタ

B4 – スピーカ入門 講師:小谷野進司(KOYANO Sound Lab.)

音響技術やオーディオ機器の設計等に携わる初心者を対象に、スピーカの基礎からキャビネットの設計までを実例を示しながら学んで頂きます。

予定講義内容
・電気音響等価回路の基礎
・動電型スピーカの動作
・スピーカの種類
・ホーンスピーカ
・スピーカシステム
・キャビネット設計の実際

B5 – マイクロホン入門 講師:小野一穂(NHK放送技術研究所)

マイクロホンの動作原理や指向特性、等価雑音などの基本概念について、音響の初心者を対象に解説します。

予定講義内容
・マイクロホンの基本構造、感度・雑音、指向性
・録音用マイクロホン、さまざまなマイクロホン
・マイクロホンの指向性による音の違い
・ダイナミックマイクやコンデンサーマイクなど、マイクの種類による音の違い

B6 – ステレオ録音入門 講師:亀川徹(東京藝術大学)

ワンポイントステレオ録音のおこなう上でのマイクロホンの位置の検討方法について、実際にスタジオでの実習を交えながら解説します。

予定講義内容
・主なステレオ録音方式の概要
・レコーディングアングルを考慮したマイクロホンセッティングの考え方
・クリティカルディスタンスと直接音と間接音のバランスについて
・実際の録音と試聴

C – 技術英語入門 講師:鈴木弘明(MQA / ソナ)

音響、オーディオに携わるエンジニア、研究者、アーティスト、学生にとって英語は必須のコミュニケーションツールとなってきています。海外の人々と議論し、世界に自分の考えを積極的に発信していくことが求められています。本講座では、英語のスキルの中でも特に「Writing=書く」に焦点を当てます。AESのConventionやConferenceにおいて発表したペーパーは各国の人々に読んでもらえますし、また記録としても残ります。そのためにも「Clear」「Correct」「Concise」な英語の書き方を学んで頂きます。

予定講義内容
・英語の重要性
・日本人にとって難しい英語の要素
・冠詞、単数、複数
・前置詞
・関係代名詞
・日本語と英語の発想の違いに目を向ける
・短文の和英翻訳演習
・技術論文の書き方
・英語のプレゼンテーション

M – マスタークラス

基礎音響セミナー10周年特別企画「立体音響の10年とこれから」
司会進行:喜多真一(ソニーPCL)
プレゼンター:中原雅考(ソナ / オンフューチャー)/尾本彰(九州大学)/亀川徹(東京藝術大学)


● 受講参加費(資料代)と申し込み方法

近年の、定員を大きく上回る参加希望を頂いている状況を鑑みて、今回からは会員特典の一つとして「AES会員優先」の申込期間を設けることになりました。当セミナーは会員向けサービスの一環でもあり、参加を検討されている方は、是非会員優先期間を積極的にご利用下さい。

参加資格

どなたでも受講可

定員

65名(定員に達し次第、締め切らせて頂きます)

申込期間

会員優先申込期間:8月1日(木)– 8月15日(木)
一般申込期間:  8月16日(金)– 8月31日(土)

非会員の方でも、AES入会の手続きをされました場合は、会員と同等の条件(優先申込期間適用可・会員価格)でお申し込み頂けますので、お知り合いの方に是非ご案内下さい。(入会案内はこちらです)

資料代

  • 学生
    • AES日本学生支部会員 : 7,500円(税込)
    • 非会員 : 13,000円(税込)
  • 一般
    • AES日本支部会員 : 17,000円(税込)
    • 非会員 : 40,000円(税込)

※2日間にわたって開催される全講座分(1冊)です。講座別、日別などの資料は用意しておりません。

懇親会

全ての講座が終了した後に懇親会を予定しております(参加費要:資料代と共に事前振込をお願いします)
懇親会日時:9月28日(土) 18:30頃~の予定(講義の進行などで前後します)

参加費(税込):学生(会員・非会員)2,500円、一般(会員・非会員)5,000円
場    所 :北千住駅近辺(会場に関しては当日ご案内致します)

申込方法

【 会員優先申込 】(優先受付終了いたしました)

下記の申込み専用フォームにてお申し込み下さい。
(8月1日 午前10時より8月15日24時まで会員優先受付)
フォームはこちら: https://ws.formzu.net/fgen/S80443524/
お申し込み後、参加受付のメールが送信されます。
メールに記載の振込先銀行口座に、資料代等をお振り込み頂き、正式に申込み完了となります。※事前振込になりますので、ご注意下さい。

【 一般申込 】(受付終了いたしました)

下記の申込み専用フォームにてお申し込み下さい。
フォームはこちら: https://ws.formzu.net/fgen/S27006471/
お申し込み後、参加受付のメールが送信されます。
メールに記載の振込先銀行口座に、資料代等をお振り込み頂き、正式に申込み完了となります。※事前振込になりますので、ご注意下さい。

【 オプション賛助会員様ご招待枠 】

AES日本支部の賛助会員様のうちオプションをお申し込みの企業様には、口数に応じてセミナーに無料招待させて頂いております。
ご参考: https://bit.ly/1wyZ0Si

尚、懇親会にご参加の場合には、別途参加費が必要となります。

申込方法等に関しましては、近日中に郵送させて頂きます招待状をご参照下さい。


● 会場アクセス

東京藝術大学 千住キャンパス
〒120-0034 東京都足立区千住1-25-1
参考URL:http://www.geidai.ac.jp/access/senju
【最寄駅】
・JR北千住駅
・地下鉄千代田線・日比谷線 北千住駅
・東武伊勢崎線 北千住駅
・つくばエクスプレス 北千住駅
の各駅より徒歩5分


● 問い合わせ先

AES日本支部セミナー係(seminar@aes-japan.org)までメールでお問い合わせ下さい