目次
・概要
・スケジュール
・講義内容
・受講参加費(資料代)と申し込み方法
・会場アクセス
● 概要
本セミナーでは,大学などで受講するような専門的な知識を,どなたでも受講できるように平易な内容にかみ砕いて解説致します。
セミナーの内容は,音響の基礎理論はもちろん,心理音響,室内音響,電気音響,デジタルオーディオなどの主要な分野を網羅しております。
セミナーを担当頂く講師の方々は,それぞれの分野を専門とし,第一線で活躍しているプロフェッショナルにより構成されています。そのため,単なる座講ではなく,実践に結びつく生きた理論を学んで頂くことができます。
今回は,(1)各講座の開催時間の延長,(2)講座数の増強を行い,従来にも増して幅広く深い内容でのセミナー受講が可能となっています。
そのため,異なる講座を二会場で並列開催させて頂くことになりますが,初級講座から上級講座まで幅広い講座の取捨選択が可能な構成となっております。
学生の方々の集中講義として,また若手技術者の方々の研修セミナーとして,是非「AES基礎音響セミナー」をご活用下さい。
● スケジュール
以下のスケジュールは予定です。時間の変更の可能性があります。
2012年8月25日(土)
2012年8月26日(日)
● 講義内容
A1 – 音の基礎 講師:星和磨(日本大学)
音はなぜ―大きく・小さく,高く・低く,綺麗に・汚く―聞こえるのでしょうか。目でみえない音を数や式といったフィルターを通してみると意外と理解しやすいものです。この講義では,これらの項目と,周波数・波長・音速・音圧・レベル・周波数特性・A特性・オクターブバンドレベルといったキーワードとが対応づくことを目指します。さらに周波数分析の基礎についてもわかりやすく解説します。
予定講義内容
・音が伝わるしくみ
・音の大きさと高さ
・音圧レベルとデシベル
・周波数特性とA特性補正
・倍音と和音
・周波数分析のしくみ
A2 – 電気音響の基礎 講師:田村良隆(スタジオイクイプメント)
エンジニアを目指す方に,知っておくと便利な電気の基礎理論を解説します。現場作業において,どのような電気理論が何に役に立つのかといった発想方法を身につけて頂きます。
予定講義内容
・電気の基礎:オームの法則,交流と直流,電源,グランド
・回路の基礎:直列と並列,インピーダンス(ロー出しハイ受けなど),レベルについて,バランス伝送とアンバランス伝送
・応用編:ノイズについて(ノーマルモードノイズ,コモンモードノイズ),シールドについて(静電・磁気・電磁シールド)
A3 – 心理音響の基礎 講師:西村明(東京情報大学)
オーディオエンジニアにとって音を分析的に聴く行為から逃れることはできません。では,我々の聴覚は音をどのように捉えているのでしょうか? 音という物理的な現象は,聴覚器官と脳の働きによって,心理的な現象として知覚されます。聴覚の仕組みを簡単に説明した後,音の物理的特徴と心理的な知覚現象との対応関係について,オーディオエンジニアリングに特に関係すると思われる話題をいくつかとりあげて,実際に音を再生して体験してもらいながら解説します。
予定講義内容
・耳もやっぱり歪む: 聴覚器官の概要,差音,結合音,主観倍音
・耳の感度は?: 音圧レベルと音の大きさ,ラウドネス
・存在するはずの音が聴こえない: 臨界帯域,周波数マスキング,時間マスキング
・音の空間的印象を規定する要因: 方向知覚,先行音効果,強度差時間差補充,拡がり感と見かけの音源の幅
A4 – デジタルオーディオの基礎 講師:菊地大(ヤマハ)
音響技術の初心者を対象に,音をデジタル化する理由や変換の仕組み,デジタルシステムを構築する際の注意点などをわかりやすく解説します。
予定講義内容
・音声をデジタル化する理由
・アナログ信号の音をデジタル変換する仕組み(PCM/PDM)
・同期(ワードクロック)とは?
B1 – ステレオ録音入門 講師:亀川徹(東京藝術大学)
ワンポイントステレオ録音のおこなう上でのマイクロホンの位置の検討方法について,実際にスタジオでの実習を交えながら解説します。
予定講義内容
・主なステレオ録音方式の概要
・レコーディングアングルを考慮したマイクロホンセッティングの考え方
・クリティカルディスタンスと直接音と間接音のバランスについて
・実際の録音と試聴
B2 – 室内音響入門 講師:中原雅考(ソナ / オンフューチャー)
部屋の中での音の振る舞いに関して,理論的な考え方の基礎体力を身につけて頂きます。室内音響を理解する上で不可欠な「波動音響」「幾何音響」「統計音響」といった一通りの理論を,数式を極力用いずに解説します。これまでに音響学を学んだことのない方々が,音の振る舞いを正しくイメージでき,身につけた知識をリスニングルームなどの音響設計に応用できるよう基礎固めを行います。
予定講義内容
・音の三分野: 波動,幾何,統計
・低域の世界: 部屋の共鳴現象(モード)と倍音構造
・中域の世界: 反射と位相干渉による周波数特性の変化
・高域の世界: 残響時間と吸音率,臨界距離(直接音と部屋の残響の比率)
B3 – 音の心理評価入門 講師:丸井淳史(東京藝術大学)
音の評価のために行われる音響心理実験では,どんなことに気をつけなければならないのでしょうか?
思わぬところで出くわす落とし穴を紹介し,心理音響と音の評価実験の基礎を身につけて頂きます。
予定講義内容
・実験の目的
・評価語
・評価尺度
・バイアスと文脈効果
B4 – マイクロホン入門 講師:小野一穂(NHK放送技術研究所)
マイクロホンの動作原理や指向特性,等価雑音などの基本概念について,音響の初心者を対象に解説します。
予定講義内容
・マイクロホンの基本構造,感度・雑音,指向性
・録音用マイクロホン,さまざまなマイクロホン
・ステレオ収音とマイクロホン
・マイクロホンの指向性による音の違い
・ダイナミックマイクやコンデンサーマイクなど,マイクの種類による音の違い
B5 – スピーカー入門 講師:小谷野進司(パイオニア)
音響技術やオーディオ機器の設計等に携わる初心者を対象に,スピーカの基礎からキャビネットの設計までを実例を示しながら学んで頂きます。
予定講義内容
・電気音響等価回路の基礎
・動電型スピーカの動作
・スピーカの種類
・ホーンスピーカ
・スピーカシステム
・キャビネット設計の実際
C – 技術英語入門 講師:鈴木弘明(ソナ)
音響,オーディオに携わるエンジニア,研究者,アーティスト,学生にとって英語は必須のコミュニケーションツールとなってきています。海外の人々と議論し,世界に自分の考えを積極的に発信していくことが求められています。本講座では,英語のスキルの中でも特に「Writing=書く」に焦点を当てます。AESのConventionやConferenceにおいて発表したペーパーは各国の人々に読んでもらえますし,また記録としても残ります。そのためにも「Clear」「Correct」「Concise」な英語の書き方を学んで頂きます。
予定講義内容
・英語の重要性
・日本人にとって難しい英語の要素
・冠詞,単数,複数
・前置詞
・関係代名詞
・日本語と英語の発想の違いに目を向ける
・短文の和英翻訳演習
・技術論文の書き方
・英語のプレゼンテーション
マスタークラス – 室形状と音の関係〜室内音響と音場評価の最新トピック〜 講師:羽入敏樹(日本大学)
コンサートホールやスタジオの音響評価に関しては,いくつもの個人的な印象評価の蓄積が総合的な評価とされることがあります。しかし,音場を物理的な側面から解析する研究や客観的に評価する研究も現在ではかなり進んであり,それらの知識を身につけておくことは,音場を理解するうえでは重要な事項です。本講座では,室形状や拡散が音場に与える物理的な影響や,要素感覚と総合評価など音場を客観的に評価するための手法など,室内音響学や音場評価に関する最近の研究成果を解説します。
予定講義内容
・空間の形と音の関係
・音の物理量と心理量
・音場理論の未解決問題 他
● 受講参加費(資料代)と申し込み方法
参加資格
どなたでも受講可
※申込が想定数を超えた場合、先着順にて受付を締め切ることがあります
資料代(“受講料”として、下記の資料代を銀行振込にてお支払い下さい)
非会員の方は、セミナー申込と同時にAES入会を申請して頂くと、会員価格が適用されます。
入会案内はこちらです。
- 学生
- AES日本学生支部会員 : 5,500円
- 非会員 : 7,500円
- 一般
- AES日本支部会員 : 15,000円
- 非会員 : 27,000円
申込方法
- 下記の申込み専用フォームにてエントリー (エントリー締切:8月19日)
PC用:https://ws.formzu.net/fgen/S68128557/
携帯用:https://ws.formzu.net/mfgen/S68128557/
※申込みが定員に達すると、締め切り前でもフォームでのエントリーが出来なくなります - エントリー確認・資料代振込先をお知らせする自動返信メールが届きます。
- 資料代振込をもって受付完了となります。締め切り日(8月21日)迄にお振り込みください。
● 会場アクセス
東京藝術大学 千住キャンパス
〒120-0034 東京都足立区千住1-25-1
参考URL:http://www.geidai.ac.jp/access/senju.html
【最寄駅】
・JR北千住駅
・地下鉄千代田線・日比谷線 北千住駅
・東武伊勢崎線 北千住駅
・つくばエクスプレス 北千住駅
の各駅より徒歩5分
● 問い合わせ先
AES日本支部セミナー係(seminar2012@aes-japan.org)までメールでお問い合わせ下さい