AES基礎音響セミナー2014

目次
概要
スケジュール
講義内容
受講参加費(資料代)と申し込み方法
会場アクセス


● 概要

2010年から開催して参りました「AES基礎音響セミナー」も今年で5回目となります。
これまで毎年継続して開催できていますのも,ご参会頂いた多くの方々や講師の方々の賜だと感謝しております。
さて,今年も「AES基礎音響セミナー2014」を下記の要領にて開催致します。
セミナー内容に関しましては、例年どおり音響の基礎理論、心理音響、室内音響、電気音響、デジタル信号処理、技術英語など、初級講座から上級講座まで幅広い分野を網羅した講座を二会場で並列開催させて頂きます。
セミナーを担当頂く講師の方々は、それぞれの分野を専門とし第一線で活躍しているプロフェッショナルにより構成されています。そのため単なる座講ではなく、実践に結びつく生きた理論を学んで頂くことができます。尚、本年は「聴覚と音知覚の基礎(旧名称:心理音響の基礎)」に関しては、西村明(東京情報大)の代講を丸井淳史(東京芸術大学)が努めさせて頂きます。
また本年は、全ての講座が終了した後に懇親会を予定しております。(要別途参加費)
学生の方々の集中講義として、また若手技術者の方々の研修セミナーとして、「AES基礎音響セミナー」をご活用下さい。


● スケジュール

以下のスケジュールは予定です。時間の変更の可能性があります。

2014年8月28日(木)

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2014年8月29日(金)

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● 講義内容

A1 – 音の基礎 講師:星和磨(日本大学)

音はなぜ―大きく・小さく、高く・低く、綺麗に・汚く―聞こえるのでしょうか。目でみえない音を数や式といったフィルターを通してみると意外と理解しやすいものです。この講義ではこれらの項目と、周波数・波長・音速・音圧・レベル・周波数特性・A特性・オクターブバンドレベルといったキーワードとが対応づくことを目指します。さらに周波数分析の基礎についてもわかりやすく解説します。

予定講義内容
・音が伝わるしくみ
・音の大きさと高さ
・音圧レベルとデシベル
・周波数特性とA特性補正
・倍音と和音
・周波数分析のしくみ

A2 – 聴覚と音知覚の基礎 代講:丸井淳史(東京芸術大学)(講師:西村明(東京情報大学))

オーディオエンジニアにとって音を分析的に聴く行為から逃れることはできません。では、我々の聴覚は音をどのように捉えているのでしょうか?音という物理的な現象は、聴覚器官と脳の働きによって、心理的な現象として知覚されます。聴覚の仕組みを簡単に説明した後、音の物理的特徴と心理的な知覚現象との対応関係について、オーディオエンジニアリングに特に関係すると思われる話題をいくつかとりあげて、実際に音を再生して体験してもらいながら解説します。

予定講義内容
・耳もやっぱり歪む: 聴覚器官の概要,差音,結合音,主観倍音
・耳の感度は?: 音圧レベルと音の大きさ,ラウドネス
・存在するはずの音が聴こえない: 臨界帯域,周波数マスキング,時間マスキング
・音の空間的印象を規定する要因: 方向知覚,先行音効果,強度差時間差補充,拡がり感と見かけの音源の幅

A3 – デジタルオーディオの基礎 講師:藤井大希(ヤマハミュージックジャパン)

音響技術の初心者を対象に、音をデジタル化する理由や変換の仕組み、デジタルシステムを構築する際の注意点などをわかりやすく解説します。

予定講義内容
・音声をデジタル化する理由
・アナログ信号の音をデジタル変換する仕組み(PCM/PDM)
・同期(ワードクロック)とは

A4 – 電気音響の基礎 講師:田村良隆(スタジオイクイプメント)

エンジニアを目指す方に、知っておくと便利な電気の基礎理論を解説します。現場作業において、どのような電気理論が何に役に立つのかといった発想方法を身につけて頂きます。

予定講義内容
・電気の基礎: オームの法則,交流と直流,電源,グランド
・回路の基礎: 直列と並列,インピーダンス(ロー出しハイ受けなど) ,レベルについて,バランス伝送とアンバランス伝送
・応  用  編: ノイズについて(ノーマルモードノイズ,コモンモードノイズ),シールドについて(静電・磁気・電磁シールド)

B1 – 室内音響入門 講師:中原雅考(ソナ / オンフューチャー)

部屋の中での音の振る舞いに関して、理論的な考え方の基礎体力を身につけて頂きます。室内音響を理解する上で不可欠な「波動音響」「幾何音響」「統計音響」といった一通りの理論を解説します。これまでに音響学を学んだことのない方々が、音の振る舞いを正しくイメージでき、身につけた知識をコントロールルーム、リスニングルーム、スタジオなどの音響設計に応用できるよう基礎固めを行います。

予定講義内容
・音の三分野: 波動,幾何,統計
・低域の世界: 部屋の共鳴現象(モード)と倍音構造
・中域の世界: 反射と位相干渉による周波数特性の変化
・高域の世界: 残響時間と吸音率,臨界距離(直接音と部屋の残響の比率)

B2 – 音の心理評価入門 講師:丸井淳史(東京藝術大学)

音の評価のために行われる音響心理実験では、どんなことに気をつけなければならないのでしょうか?思わぬところで出くわす落とし穴を紹介し、心理音響と音の評価実験の基礎を身につけて頂きます。

予定講義内容
・実験の目的
・研究の流れ(研究目標の設定から実験を経て報告まで)
・評価語・評価尺度
・バイアスと文脈効果

B3 – デジタル信号処理入門 講師:鈴木久晴(日本エヴィクサー)

デジタル信号処理の概念がなんとなくわかる方々を対象にしたデジタル信号処理の実践講座です。コンピュータ上で実際に音響信号を取り扱い、グラフ等で可視化するための技術に関して解説します。フリーのプログラム言語であるPython(パイソン)がインストールされているノートパソコンを持参して頂くと、実際にプログラミングを体験しながら,受講して頂くことができます。
Python(パイソン)に関する概要は、例えばこちらなどが参考になります
ドットインストールのPython入門
(注)会場には電源やインターネット回線の準備はございません。

予定講義内容
・デジタル信号とコンピュータ
・Pythonによる信号処理環境の整備
・FFTを使った周波数分析
・フィルタ

B4 – スピーカー入門 講師:小谷野進司

音響技術やオーディオ機器の設計等に携わる初心者を対象に、スピーカの基礎からキャビネットの設計までを実例を示しながら学んで頂きます。

予定講義内容
・電気音響等価回路の基礎
・動電型スピーカの動作
・スピーカの種類
・ホーンスピーカ
・スピーカシステム
・キャビネット設計の実際

B5 – マイクロホン入門 講師:小野一穂(NHKエンジニアリングシステム)

マイクロホンの動作原理や指向特性、等価雑音などの基本概念について、音響の初心者を対象に解説します。

予定講義内容
・マイクロホンの基本構造,感度・雑音,指向性
・録音用マイクロホン,さまざまなマイクロホン
・ステレオ収音とマイクロホン
・マイクロホンの指向性による音の違い
・ダイナミックマイクやコンデンサーマイクなど、マイクの種類による音の違い

B6 – ステレオ録音入門 講師:亀川徹(東京藝術大学)

ワンポイントステレオ録音のおこなう上でのマイクロホンの位置の検討方法について、実際にスタジオでの実習を交えながら解説します。

予定講義内容
・主なステレオ録音方式の概要
・レコーディングアングルを考慮したマイクロホンセッティングの考え方
・クリティカルディスタンスと直接音と間接音のバランスについて
・実際の録音と試聴

C – 技術英語入門 講師:鈴木弘明(ソナ/エルコミュニケーションズ)

音響、オーディオに携わるエンジニア、研究者、アーティスト、学生にとって英語は必須のコミュニケーションツールとなってきています。海外の人々と議論し、世界に自分の考えを積極的に発信していくことが求められています。本講座では、英語のスキルの中でも特に「Writing=書く」に焦点を当てます。AESConventionやConferenceにおいて発表したペーパーは各国の人々に読んでもらえますし、また記録としても残ります。そのためにも「Clear」「Correct」「Concise」な英語の書き方を学んで頂きます。

予定講義内容
・英語の重要性
・日本人にとって難しい英語の要素
・冠詞,単数,複数
・前置詞
・関係代名詞
・日本語と英語の発想の違いに目を向ける
・短文の和英翻訳演習
・技術論文の書き方
・英語のプレゼンテーション

マスタークラス – 音場の可視化技術 ~測定と活用例~

空間に放たれた音はどのような振る舞いをしながら我々の耳までに届いているのでしょうか。音の振る舞いを可視化する測定・解析技術に関して測定例とともに紹介します。
・音場可視化技術の概要:尾本章
・インテンシティー測定(P-P法)による可視化例:中原雅考
・インテンシティー測定(C-C法)による可視化例:羽入敏樹
・マイクロホンアレイ,音響ホログラムのよる可視化例:高島和博

プレゼンター
・尾本章(九州大学)
・中原雅考(ソナ/オンフューチャー)
・羽入敏樹(日本大学)
・高島和博(日東紡音響エンジニアリング)


● 受講参加費(資料代)と申し込み方法

参加資格

どなたでも受講可
※申込が想定数を超えた場合、先着順にて受付を締め切ることがあります

資料代(“受講料”として、下記の資料代を銀行振込にてお支払い下さい)

非会員の方は、セミナー申込と同時にAES入会を申請して頂くと、会員価格が適用されます。 (入会案内はこちらです)

  • 学生
    • AES日本学生支部会員 : 7,500円
    • 非会員 : 10,000円
  • 一般
    • AES日本支部会員 : 15,000円
    • 非会員 : 30,000円

※資料には2日間にわたって開催される全講座の資料が含まれています。
※講座別、日別の資料はご用意しておりません。
※資料代は事前に指定口座にお振り込み頂く必要がございます。

懇親会

参加費(税込):学生(会員・非会員)2,500円、一般(会員・非会員)5,000円
場      所:北千住駅近辺(会場に関しては当日ご案内致します)
※参加費は事前振込にてお願いします

申込方法

ご好評に付き定員に達しました。沢山のお申し込みありがとうございました。申し訳有りませんがキャンセル待ちは受け付けておりません。ご了承ください。

  1. 下記の申込み専用フォームにてエントリー (エントリー締切:8月17日)
    PC・スマホ共用:https://ws.formzu.net/fgen/S43824741/
    携帯電話用      :https://ws.formzu.net/mfgen/S43824741/
    ※申込みが定員に達すると、締め切り前でもフォームでのエントリーが出来なくなります
  2. エントリー確認・資料代振込先をお知らせする自動返信メールが届きます。
  3. 資料代振込をもって受付完了となります。締め切り日 (8月21日) 迄にお振り込みください。

● 会場アクセス

東京藝術大学 千住キャンパス
〒120-0034 東京都足立区千住1-25-1
参考URL:http://www.geidai.ac.jp/access/senju
【最寄駅】
・JR北千住駅
・地下鉄千代田線・日比谷線 北千住駅
・東武伊勢崎線 北千住駅
・つくばエクスプレス 北千住駅
の各駅より徒歩5分


● 問い合わせ先

AES日本支部セミナー係(seminar@aes-japan.org)までメールでお問い合わせ下さい